あおむろひろゆきのてくてく子育て日記〈第12話〉「初めてのふたり旅」
パンパンになったリュックを背負って、泊まりのお出かけへ
妻のリフレッシュも兼ねて、子どもと初めて二人きりで泊まりのお出かけをしてきました。目指すは電車で1時間半、じいちゃんばあちゃんの待つ私の故郷です。
夜逃げでもするんかというレベルでリュックはパンパンで、さらにそのリュックに子ども用の便座(トイレトレーニング中)を縛り付けていたので、傍から見れば異様な姿だったことでしょう。まだまだオシャレには気を遣いたい年頃ですけど、快適な旅路のためには仕方のないことです。
今回の旅については随分と前から計画を練っていて、何度も電車の乗り換えも確認したし、駅からのルートも地図で確認済。お茶やおやつもすぐにカバンから取り出せるようにしていて、これ以上ないくらいの準備を重ねて挑んだ旅でした。だけどやっぱり、なかなか上手くはいかないものです。自由気ままな行動をする小さな怪獣に振り回されて、出発して1時間ほどですでにクタクタ。
旅中はひたすら「しんどい」「荷物重い」「走らんといて」「寝てくれ」と、どちらかというと負の感情に支配されていた記憶があるけれど、今思い出すのは、駅の改札を抜けた瞬間に小さな風が子どもの麦わら帽子を飛ばしたことや、お風呂で泡だらけになって大笑いしながら身体を洗ったこと。それから動物の図鑑を見てごりらのモノマネをして遊んだことや、びっくりするくらいたくさんご飯を食べたこと。寝かしつけの時にはやっぱりお母さんのことを思い出してしまって「おかあちゃん、おかあちゃん」と泣きながら寝たこと。窓の大きな寝室で、月の光が子どもの寝顔を照らしていたこと。虫たちの鳴き声が、とても柔らかく響いていたこと。優しい思い出ばかりが蘇ります。
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